ポケコマがこの先生きのこるには -コマスター攻略-

ポケモンコマスターの考察・まとめ等を扱っています。運営さん、今まで本当にありがとうございました。

ポケモンコマスターの独特なマッチングシステムとAIについて解説

 本日でポケコマがサービス終了してからなんと5年となりました。ポケコマの記事はしばらく書いていなかったのですが、世の中からコマスターの記憶が失われる前に記録に残しておきたいなと思ったことがいくつかあったので久し振りに筆を執ることにしました。

 今回は特徴的なシステムを採用していたコマスターのレーティングとマッチング及び、そこに登場するAIについて書いていきたいと思います。以下常体。

 

 

ポケモンコマスターにおけるレーティング

 レーティングは対戦要素のあるゲームによく実装されていて、主にレートが近い者同士がマッチングすることになっている。

 一般的なゲームは1500スタートなら2300くらいが上限といったところだが、コマスターにおいてはプレイヤー同士のレートの奪い合いだけでなく、AIが存在することによってレート上限が大幅に高くなっている。具体的には、上位プレイヤーの目安として4000を超えることもあった。

 

表レートとマンスリーレート

一番上にあるのが表レート。マンスリーはその2つ下の枠。

 コマスターではマッチングに使われるレート(通称・表レート)の他に、毎月リセットされてランキングに使用されるマンスリーレートと呼ばれるものが存在した。このマンスリーレートによってその月の人口をある程度測ることもでき、高い時は1位争いが3000を超えることもあった。

主要なボーダーと自分のレートは常に確認できる機能があり大変便利。

 

 表レートの高さは一切ランキングに影響しないどころか不利に働くので、後述するようなプレイヤーによる試行錯誤が行われていた。

 

表レートによる実力の階層

 一般的に3000以下はエンジョイ勢、3500くらいから実力者と見なされて4000以上が100位に安定して入れるくらいの最上位勢。

 

リーグマッチにおけるAIの存在

 コマスターはAIと共に戦うというコンセプトのゲームで、デュエル中に操作をAIに任せることが出来る他、PVPであるリーグマッチにもAIが対戦相手としてマッチングすることがある。基本的には人間が相手でありAIと当たる時の条件は以下の通り。

 

・同レート帯でマッチングできる相手が見つからない状態で一定時間経過した時。(通称・過疎AI

・1日以上リーグマッチで対人戦していない状態で潜ったその日最初の1戦目の時。(通称・接待AI

・リーグマッチで3連敗した時、必ずレアリティの低い「ヘラクロスカイロス・スピアー」を2体ずつ入れた非常に弱いデッキが現れる。(通称・虫取り

・リーグマッチに初めて潜る初心者の場合、レート1500に達するまでAIと当たる。

 

プレイヤーによるAIの利用

 

スーパーAIの利用

 プレイヤーは専用のAIチケットを消費することでスーパーAIに代理でプレイさせることができる。実力は上級者の目から見ると上手いとは言えないが、強いデッキを渡せば3500付近で戦えるくらいのレベルはあった。

 なお、AIチケットは使い勝手が悪いのに当初は捨てることもできず溜まっていき(後に換金できるようになった)、ログボなどで貰える報酬としてはハズレの部類のため、プレイヤーからはゴミチケと呼ばれていた。対戦相手はAIを使われていることがわからないが、AI特有の変な手で分かることもある。

 

 また、AIは思考時間が短く1秒以内に手を指せるため、お互いの持ち時間が僅かで時間切れによる決着が濃厚の場合はAIに操作させることで持ち時間消費を抑えるというテクニックもあった。ただし、AIはTODなど考えてはくれないのでプレートやZワザの使用など余計なことをして、かえって時間を消費してしまい裏目になることもあるので必ずしも使い得ではない。

持ち時間が先になくなると負け。操作が間に合えば表示が0でも相手にターンが渡ることがあり紙一重の勝利になることもある。

 

AIを利用して楽して報酬を入手

 AIとのマッチングはプレイヤーによって様々な方法で利用された。リーグマッチではデュエルに勝利することでタイムトレボ(一定時間後にフィギュアを獲得できる)やキートレボ(一定ポイント貯めるとフィギュアを獲得できる)といった報酬を得られた。それらの報酬のためにわざと3連敗して弱い虫取りを狩ることで楽して報酬を得るということが一部で行われていた。

 ちなみに、虫取りは基本的にプレイヤーの救済措置で出てくる存在であり、普通にやれば負けることはあり得ない。これにわざと負けると意図的なレート下げと見なされてランキングから除外される可能性があった。

 

AIを利用したレート稼ぎ

 接待AIは基本的によほど事故らなければ負けることはない存在である。そのため、表レートが高くなったとき、1日1回接待AIとだけ戦って最高レートをちまちま稼ぐという酔狂なプレイヤーがごく少数ながらいた。ただし、これらのAIは自分より約800下のレートで出現するので勝っても1しかレートを貰えない。マンスリーレートも僅かしか稼げないのでランキング上位にも入れず色んなものを犠牲にすることになる。

 表レートの最高値はプロフィールに残るので高いに越したことはないが、レート下げが当たり前に行われていたり、上記のような稼ぎ方もない訳ではないので、実力の指標としてはマンスリーランキングの方が重視された。

 

AIを利用したレート下げ

 マッチングに使用されるのは表レートだが、表レートが高すぎるとプレイヤーが減り、過疎AIに当たる可能性が高くなる。人間と戦わないとマンスリーレートをろくに稼げないので、表レートが上がりすぎたプレイヤー(4000超えくらい)は月末にレートを下げることが多かった(マンスリーランキングは最高到達レートを参照するので充分なボーダーに達したら下げて構わない)。

 過疎AIは自分より大幅に低いレートでマッチングするので、1回負けるだけで60ものレートを捨てることができる。別に人間に負けてもいいのだが、AIの方が効率が良いし他のプレイヤーにレートを与えずに済むのでよく利用された。この際も虫取りAIには絶対に負けてはいけない。自分は月末でなくても過疎に当たった時はわざと負けて人間とは真面目に戦うことで表レートを上げすぎないように調整することもあった。

初手降参を繰り返すと除外される可能性が高まるので、行動に制限がかかるポケモンで組んだデッキで自動的に負ける方法が開発された。

 

 ちなみに表レートが高いとまともに対戦できない仕様にも関わらず、意図的なレート下げをしすぎると悪質と見なされてランキング除外になる可能性があった。自分が下げる時は最低でも3500くらいで止めていたが、それより大幅に下げている人もそこそこ居て、下げすぎて除外されたプレイヤーも実際にいた。

 あまりにも下げて初心者狩りするのが健全ではないのは確かだが、だったらマッチングを改善しろよという上位勢の嘆きも虚しく最後まで改善することはなかった。

 

AIが使うデッキ

 過疎AIが使うデッキは細かい基準は不明だがレーティング上位のプレイヤーの何人かが最後に使用したデッキをコピーされるという仕様だった。そのため、使い手のAIが弱いとはいえ事故りやすい強力なデッキに当たることもあり、レート上げ中のプレイヤーにとっては災難となることもあった。

 

 上位帯基準のAIだと下位にとっては少し強すぎる気がするので、レート帯によってAIのレベルも変わるのではと思っているが、上位帯の仕様しか知らないので細かいことは分からない。(下位帯の方が人口は多いので過疎AIはほぼ出ない可能性もある)

 

AIの判別

  通常のマッチング範囲は自分のレート±400差くらいだが、AIは自分より約800低い値になっているので慣れてる人なら一発で分かる。また、AIに使用されている名前も決まっておりそこでも判断できる。

AIネーム一覧

 ハヤシ ヒラオカ タケウチ チカムラ イグチ イトー サトー イマイ ナオキ ゲンキ

 pat Terry Lane Jordan Harper Skyler Riley Sage Connelly Kelly Rowan

 ※もしかしたら漏れがあるかもしれない

 

 日本名については開発会社のスタッフの名前である。英語名もそうなのかは不明。

 

ここまで読んだ人が疑問に思いそうなこと

 Q. このシステムだと、ある程度上手い人が新アカウントで表1500から一気に上げればランキング上位に簡単に入れるのではないか?

 A. ある程度まではそうだと言える。実際、このゲームにはデッキレンタルというものがあり、低レート帯のプレイヤーに限って一定期間なかなか強いデッキを借りることができる。これを使って表レート3000以下の謎のプレイヤーが上位に来ている風景はよく見かけたが、そういうプレイヤーが最後まで上位に残ることは稀だった。上位帯の人がわざわざ新垢を作ってそんなことをしているのは見たことがない。

 

 Q. このシステムだと月末まで全然潜ってなかった人でも高レート帯にいればマンスリーレートが離れていてもランキングが高い人とマッチングできる?

 A. その通り。マンスリーレートはマッチングに影響しないので実力が同じでも吸えるレートがバラバラなのはよく起こる。あまりやらなかった月でも月末だけ顔を出して大量にレートを吸っていくプレイヤーはテロ扱いされたが、最終的には収束していくのでそのこと自体を咎める風潮はとくになかった。

 

 Q. 人間とほぼマッチングしないレート帯まで上がったらひたすら過疎AIを倒してランキング上げ出来るのでは?

 A. その状況でマンスリーレートを更新中で捨てたくないのであれば過疎AIも勿論倒して足しにはするが、過疎とだけ戦っても時間効率があまりにも悪すぎるので上位争いでは不利。先述した通り強力なデッキを使ってくるので必勝できる訳ではなく、勝っても1しか貰えないのに負けたらごそっと減るので割に合わない。

 

 Q. 過疎AIとのマッチングは拒否できないの?

 A. マッチングに時間がかかっている場合はキャンセルして、人間と当たるまで繰り返すことは可能。ただし、このゲームには何故か一定時間経つとキャンセルボタンが効かなくなるというバグ(!?)があり、過疎に当たりたくないならそこそこの頻度でキャンセルを押さなければならない。

 

おわりに

 このようにポケコマプレイヤーはただ対戦相手に勝つことだけ考えれば良い訳ではなく、AIや複雑な仕様とも常に戦ってきたのである。この記事を読んだ人はこんな世界があったということを頭の片隅にでも残しておいてくれれば嬉しい。

 どうでもいい余談だが、昨今の人間を超えた能力を持つ生成AIによる権利関係や感情論の揉め事を見ていると、強すぎも弱すぎもしないコマスターAIは優れたバランス感覚だった気がしてくる。人間より強いAIが当たり前のゲーム環境だったらゲーム体験自体大きく変わっていた可能性がある。当時バカにしていたAI君、ごめんね。君たちはいい仕事をした。

ストーリーで人格を破壊されたまま放置されサービス終了したAI、カルロ